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叱る時こそ伸ばすチャンス その11


【叱る時こそ、小さな声で…】

 今日はお休みをいただいているので、「叱る時こそ伸ばすチャンス」を書きたいと思います。叱り方について、日頃考えていることを書きます。

 私は、これまで、たくさんの先生方に出会ってきました。子どもたちへの話し方も人それぞれです。大きな声で話す人、早口で話す人、いつも笑顔で話す人…。とっても印象に残っている女性の先輩は、声の大きさや話すスピードが常に変化している人でした。大事なことを伝える時には他の時と違って、声が小さくなっていました。口調はゆっくりになっていました。ゆっくり小さな声で話すのです。後ろの方が聞き取れないのではないかと思うほど、小さな声です。そういう時の教室の中は静まり返っています。みな、先生の一字一句を聞き逃すまいと真剣な表情です。1年生の担任をされている時も同じように子どもたちは聞いていました。

 狼少年の話があります。「狼だ」と叫んで、慌てふためく村人の様子をおもしろがって、何度もいたずらを繰り返すうち、本当に狼が来ても信じてもらえなかったという話です。いつも大きな声で叱りとばしていると、親の言葉に反応しない子どもになる恐れがあります。村人のように、「またか」という意識しか残らないのです。学校には、「叱るのはいいけど、怒るのはいけない」という指導の鉄則があります。家でも全く同じことだと思います。叱るうちに、感情が高ぶり、大人が完全に怒ってしまっているのです。スポーツにおける良い監督やコーチは、ピンチの時も動揺せず、負けていても平然と構えている方だと言います。選手は、その方が安心し、逆に励みになるくらいです。

 子どもを叱って、本当によりよく成長させたいと思う時には、「なぜよんだか分かる?」「あなたのしたこと、自分ではどう思ってるの?」と、静かな調子で、ゆっくりと聞くのです。子どもも、冷静に自分の行為を振り返り、非を素直に認める気になると思います。何がいけないか分かってきたら、「これからは、やめようね。」と言えば、「ごめんなさい。これからは気をつける。」となると思います。親子喧嘩のように興奮した状態では、このような反省にはなかなかつながりません。「諭す」というのは、そういう叱り方を言うのだと思います。



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