【職員室の窓から】合唱コンクールについて思うこと
- 公開日
- 2024/10/02
- 更新日
- 2024/10/02
職員室の窓から
合唱コンクールにこめた思いを書きたいと思います。
先日、他市の先生と話している時に、「自分の学校では、波風が立たないことを求められる」という話を聞きました。特にトラブルがなく、日々何もなく乗り切ることができるクラスがいいクラスと評価されるということでしょう。確かにその気持ちは分かりますし、担任としてもそれを望みます。
「合唱コンクール」は、ある意味波風の極みのような存在です。本番までに、本当にいろいろなトラブルがうまれます。合唱コンクールをしなければ、そんなトラブルを回避できます。一番平和な状態をつくるためには、何もしないことが一番です。そして、先生もとても楽をできます。
しかし、本当にそれでいいのか。と私は疑問に思います。小学校を卒業した後、中学校や高校へ進学し、社会に出ていきます。これから先、いろいろなトラブルや難しい出来事に出会います。それでも、向き合い、それを自分達の力で乗り越えていかなくてはいけません。子どもたちに、うまくいかなくてもへこたれないたくましさや、しなやかさが求められていると思います。そう考えると、「うまくいかなかった体験」「がんばったけど、むくわれなかった経験」を少しずつ、上手に体験していくことが大切だと思います。
今回の合唱コンクール、どのクラスも全力ががんばりました。本当によく頑張ったと思います。そして、いろいろなドラマがありました。伴奏と歌がずれてしまったけど、自分たちで持ち直したクラスもありました。ピアノが途中で止まってしまったけど、ピアノを弾いている子が上手に入りなおしたクラスもありました。どのクラスもよく頑張りました。
しかし、「金賞」という形で表彰されるのは、各学年1クラスだけです。大切なのは、終わった後、どのように合唱コンクールをとらえるかということです。5年1組では、自分たちの結果をふりかえり、次にがんばるべきことを考えたそうです。結果ではなく、そのプロセスの価値と、自分たちの成長に目をむけることができれば、より価値ある合唱コンクールになるのだと思います。
たくさんのいろいろな涙を見た合唱コンクールでした。心が動く児童会行事でした。
教頭 河合