他市からの視察 〜その5〜
- 公開日
- 2023/02/15
- 更新日
- 2023/02/15
お知らせ
明石市の資料の中でも紹介されていますが(「同じ年に生まれた人たちだけからなる集団って、学校以外にありますか?」)
熊本大准教授・苫野一徳氏のお話です。
特集「変われ!学校」連続インタビュー
「ベルトコンベヤーを機能させるための「みんな仲良く」」。
〜ベルトコンベヤー式なのですから、教室の中に多様な子どもたちが入り交じっていたら、当然うまく機能しなくなってしまいます。だからこそ、子どもたちは生存本能として、人と違うことをするのを恐れるようになり、その環境のなかでサバイバルするために、異質な存在を排除する力学を生み出していきます。もともと同年齢なだけに同調圧力は働きやすく、ちょっとした違いが目立ってしまう。それがいじめの温床になるのは言うまでもないですが、多くの子どもたちが、人と違うことを恐れ、空気を読み合うことを強いられる学級生活を送りつつ成長していくのも、大きな問題です〜
「私は「便所飯のパイオニア」」。
〜私も小さなころから、学校にはあまりなじめませんでした。哲学的な少年だったので「なんで生まれてきたのだろう」なんて友達に話しかけて、「なに言っているの? キモい」「キショい」と言われることもありました。今でも、その言葉を聞くと、ぞくっとするくらいです。友達がいないのを周囲に知られたくなくて、便所飯もしていました。「便所飯のパイオニア」と自称しているんですけどね。かと思えば、学校改革をするんだと生徒会長になったこともありましたが、学校での生きづらさを解消するために、いつもあがいていました〜
「ごちゃまぜのラーニングセンター」。
〜だから私は将来の学校の姿が、幼児から、小・中学生、高校生、大学生、地域の人やお年寄り、障害者や外国人まで、とにかく多様な人が当たり前のように集い合う「ごちゃまぜのラーニングセンター」になったらいいと思っています。また、例えば小学5年生で高校1年生の数学をやっていてもいいし、その子が小学3年生の漢字を習っていてもいい。「飛び級」や「落第」というのではなく、学びが個別化していけば、そういう概念そのものがなくなっていくでしょう。地域の課題を解決するプロジェクトなどを、さまざまな年齢の子たちがチームを組み、自分なりの答えを出していくような学びもあってほしい。学年学級制を解体したり再構築したりすれば、非常にダイナミックな学びの環境をつくることが可能になるのです。閉鎖的な空間で「家族のような」親しさを無理やり求められる集団ではなくて、必要な時に必要な人とつながりあえて、自由に出入りできる集団です。いまはオンライン教育やEdTech(EducationとTechnologyの合成語)も発達しているわけで、何でもかんでもみんなで一緒の必要はありません。必要に応じて、EdTechも活用して一人で学んだり、人の力を借りたり、人に力を貸したりと、様々なツールや学びの機会を「ブレンド」していけばいいのです〜
https://globe.asahi.com/article/12699615
公開日は2019年9月11日。よかったら読んでみてください。